ポワポワした器

Introduction
ポワポワした器
日々装う大切な小物。
指輪、ネックレス、ブローチ、等々
一日の終わりにそっとしまう器として。
お客様をお迎えする
自分の気持ちを落ち着けるなど
お好みのお香を焚く器として。
様々の用途にお応えする器です。
作品のウェブサイト
ポワポワした器
大橋 保隆(おおはし・やすたか)
新潟県燕市燕3373-1
新潟県燕市に200年前から伝わる伝統工芸「鎚起銅器」を制作しております。
一枚の平らな銅板を、金鎚で叩き起こし湯沸やカップなどを形づくる。
昔ながらの製法でものづくりの想いをひとつひとつの作品に込めております。
ひとつひとつ表情の違う作品達を是非、手に取っていただければ幸いです。
創作者のウェブサイト
職人 大橋保隆
※著作権は創作者に帰属します。無断での画像の利用などはご遠慮くださいませ。
Review
パッと見、確かにおしゃれな感じのする銅器なのだが、一体何に使用される物なのか見当がつかない。
これが、『ポワポワした器』を手にしたときの率直な第一印象だった。
「不思議な物体だな~」と思いながら、あらゆる角度からまじまじと眺めてみる。
重量感があるようでいて、どこかフワッとした軽やかさが手に伝わってきた。
形は厚みのあるお皿、ただし、厚底なのがミソである。
聞けば、二枚の銅板をふちの部分でつなぎ合わせているとのこと。
中は空洞化しているし、「カンカン」とした音も確かに銅器だ?
ますますわからなくなったので、器の表面を見つめることにした。
するとそこには、魚のウロコのようなまだら模様が、きめ細かにちりばめられているではないか!
まずそこで、私は感嘆の声をあげた。
そしてこの時初めて、鎚起銅器というものが自分の頭の中に入ってきた。
この模様は銅板を金槌で叩いて作り出した職人技で、約二百年の歴史がある伝統工芸なのだという。素直に驚いてしまった。
こんな技法があるなんて、まさに「目からウロコ」である。
それでもなお、この器の本当の使い道がわからず、引き続き上下左右に見回し続けてみる。これがアクセサリーを置いたり、お香を焚いたりする器だということを認識した。それでも……、私には不思議な物という印象に変わりなかった。
わからないから面白い。
段々そんな風に思えてきた。
それこそ頭をからっぽに、空洞化にした方がいいのかも?
もう一度、触手で感じ取ってみることにした。
そうすると、ちょっと見方が変わってきた。
器が私を受け入れてくれたのか、いろんなことがわかってくる。
最初は冷たかった感覚が、次第にぬくもりが出てきて温かみを感じるのである。
他の金属と触って比較したが、やはり温かいっ! これが銅というモノなのか? 「もっと鉱物の性質を知っておけば良かったなあ」と今さらながら思う。
光に当ててみると、温かみのある黄金色となって反射され、そこでまたびっくりする。「銅なんだけど、金箔のような……」
妻にも見せてあげると、反応の良さにこちらが驚いた。
彼女は手に取ったまま、ずっと離さない。
「持っていると何か落ち着くね。厚みもあって持ちやすいし、癒されるわー」と、うっとりしているではないか。そのまま「プレゼントだよ」と言えれば、どんなにいいだろう。
用途と彼女の反応で、強いて言うなら女性向けのようだが、実は手にすればするほど、見れば見るほど、人を惹きつける力を秘めている。そう思えてしまうのだ。
刻まれたデザインにも触れておこう。
器は全体的に丸みのある仕上がりとなっているが、唯一直線で描かれた図に、職人さんの意志が込められている。
東日本大震災からの復興。
芽の出ている部分には、密やかながら、芯の通った「願い」が見て取れた。
新潟の燕市に二百年前から伝わる伝統工芸で、世代を超えて受け継がれてきた職人の歴史。素朴でありながらも、並々ならぬ思いが伝わってくる。間違いない。
タダの器じゃないとは感じていたが、触れば触るほど、凄く深みが感じられてくるし、思わず「家宝」と呼びたくなってしまうのである。
においを嗅いでみて、これまたびっくり。甘い香りがする。これが銅というものなのか。三十七年間生きてきて、再発見する。
幼い頃家にあったやかんの、ほのぼのとした匂いを自然と思い出していた。
私にとっては、意外性のある工芸品。
銅のいろんな効用もあり、何とも貴重な「出会い」をした気分になった。
まさしく「たたき上げ」の器なのだ。
大橋さんのテンポの良い一打一打に、魂が込められている。
見て触れば、シロートの私でもわかった。
使い道はいろいろあるようだ。
でも私だったら、迷わず「家宝」にするだろう。
<レビュアー:O.A>
















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